スルガ銀行アパートローン顧客で資料改ざんしてない人は皆無という事を説明させて下さい
スルガ銀行の不正問題が飛び火してます。
スマートデイズに引き続きゴールデンゲインまでもが破産開始決定になりました。
この記事を書いてる私自身もスルガ銀行に浸りきっていた不動産会社経営者の一人として、また去年の9月に同じ様に破産開始決定を受けた張本人として対岸の火事ではなくリアルタイムで大変な状況を共有出来る立場であります。
※私はシェアハウスはやってませんけどね(笑)でもかなり大き目の倒産劇でした
今日はこのスルガ銀行の不正問題がどこまで大きくなるかを具体的にご説明致します。
初めに
スルガ銀行のの不正がどこまで大きく問題になるかを考えるに当たって、まずスルガ銀行が不動産投資において何故選ばれていたかを理解する事で自ずとひも解いていけるかと思います。
スルガ銀行を使う理由
不動産投資ブーム・サラリーマン大家ブームを巻き起こし、牽引していたのは間違いなくスルガ銀行です。ではまずスルガ銀行が他行と比べて優れている所を挙げていきます。
融資期間が極端に長い
通常、融資を受ける場合に建物の築年数によって法定対応年数から経過年数を引いた残存年数が一般的に融資年数になります(35年以上だと35年がMAX)
例)鉄筋コンクリート造(以下RC造)法定対応年数47年、建物が平成元年築だった場合
法定対応年数47年-経過年数30年=残存年数17年
仮に金利2%で1億を融資期間17年で借りた場合、毎月の返済額は578,647円
鉄骨造(以下S造)法定対応年数34年、建物が平成元年築だった場合
法定対応年数34年-経過年数30年=残存年数4年
仮に金利2%で1億を融資期間4年で借りた場合、
毎月の返済額は2,169,512円
スルガ銀行の融資期間の計算方法は法定対応年数を無視し、RC造もS造も関係なく
60年から経過年数を引くという超絶的なアパートローンに特化した計算方法です(笑)
上記の例に当てはめると
60年-経過年数30年=ローン年数30年
金利4.5%(2年位前に3.5%に下がりました)で計算すると
金利が2倍以上高いにも関らず返済額は506,685円!です。
特筆すべき点としてはS造も変わらず60年から引くとなると毎月の返済額が210万と50万では雲泥の差ですね
融資期間も長くして利益と融資対象案件数を飛躍的に伸ばす
逆に築年数が新しい物件は60年から引くメリットがなく、また築浅物件は利回り自体も低いのでスルガ金利が合わず、自然と古い昭和60年~平成5年らへんの、他では融資が付かない物件がスルガ融資で集中する訳です。
このカラクリを使う事でスルガ銀行側目線では通常の2倍以上の金利でもお客さんが得る実質のキャッシュフロー(家賃から返済額や経費を引いた手残り)は上がるので単純に他行と比べ利益が2倍以上になり、また融資対象になりえる物件の分母が莫大に多くなるというスキームです。
スルガ銀行の購入者審査基準
スルガ銀行の基本的な考えはどんなに年収が高くても自営業・経営者(士族は例外)には融資をしないという方針で、超資産家の2代目の人もスルガに持ち込んだ際、融資対象にはならなかった経験があります(笑)
スルガの融資対象は上場企業に勤めるサラリーマン・公務員・士族といわれる弁護士や医者のような人達です。また年収は800万以上が基本目線です。
※10年位前は、まだまだスルガ銀行もメジャーではなくメガバンクに追いつけ追い越せで頑張ってた分、購入者の属性に対しても今よりももっと甘々でした。年収500万でもなんとか頑張ってくれたりしてました。
融資対象をサラリーマンに特化する事で融資対象案件を飛躍的に伸ばす
そういった融資対象をサラリーマンに特化した事により、昔ながらの金持ちの不動産転がし、資産家の人しか出来ないイメージを払拭し、手の届きやすい投資を実現して併せて融資対象になりえる購入者の分母も莫大に多くなるというスキームです。
この上記2点のスキームでスルガ銀行は爆発的なサラリーマン大家ブームを巻き起こしました。
不正の背景にあるもの
それは普通では買えない規模の物件を購入者に買わせてあげる
これにつきますね。
購入者の分母を増やす為にサラリーマンを対象にした所まではいいのですが
過去記事でも紹介した通り、いくら上場企業に勤めているサラリーマンだったとしても通常では持ってるはずもない自己資金を投入しなければいけなく、またそれに応じた自己資金の2倍以上の財産の証明をしなければいけません。
詳しくは過去記事に書いてあります↓
kasegu69.hatenadiary.jp
そこで手を汚し資料改ざんを行うのが不動産会社で
それを黙認するのがスルガ銀行員と購入者です。
ではスルガ融資を受けてる人の中でちゃんと財産を証明して、ちゃんと自己資金を入れてる人がどこまでいたでしょうか。
恐らく財産証明・自己資金投入の2点を真面目に取り組んだ購入者は現実的に見て皆無だと思います。
そもそもほぼ全てが『偽造・改ざん』なんで真相自体が深い闇ではありますが
逆目線で考えると答えが浮き彫りになると思います。
スルガ融資を使わない人の理由を考える
普通に考えて自己資金を投入できる人でスルガの要求通りの財産証明が出来る人は
あえてスルガで融資を受ける必要がないって事
メガバンクだと金利0.6%~1%台が多いです。
その低金利でなら築年数が浅い物件で利回りが低くてもキャッシュフローは出るでしょう。
わざわざ築30年も経った修繕が必要で購入後古くて他行では融資期間が出なくて売れない出口の無い物件を4.5%の高い金利を出してまで買う必要があるか?という事です。
じゃーなんでそんな物件を買うかと言いますと、それ位しか買えない理由、その物件でもいいから買えるなら買いたい理由がないと、よっぽどの物好きじゃない限り購入しないと思います。
それらの理由は至ってシンプルで、見せる財産証明と実際に投入する自己資金が無いからです。
スルガ融資で不正をした購入者数
そう考えると私だけの極論、一方的な偏見かも知れませんが、
ほぼ全てのアパートローンのスルガ融資において
不正があって当然だと思ってます。
仮にその極論が間違ってなかったとしたら、そのダメージは計り知れないですね。
私は確信してますが。。。(笑)
まとめ
恐らく今年・来年にはスルガショックは確実に来ると思います。
そうなると売り物件が増え、でも売れないから金額が下がっての繰り返しで
利回りが高いお宝物件がメチャクチャ出回ります。
ただその時に限って金融業界は締めますので
買いたくても買えないって状況が来るでしょう。
その時の為に今からでも現金を蓄えて準備をする事は決して無駄ではないと思います。
ご清聴ありがとうございました。
最後にお願い事があります。
結構気合いを入れて記事を書いてるつもりではありますが、
恥ずかしながら検索されてこの記事にたどり着く人がほとんどいないのが現状です。
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